70歳のお婆ちゃんのウエディングドレス姿

真っ白のシンプルなウエディングドレスに身を包まれていたのは、70歳になられたばかりの女性でした。これは昨年末、私の勤めている老人ホームで行われた結婚式のときの出来事です。私は今、老人ホームで介護ヘルパーとして働いているのですが、ここには50代から90代と、幅広い年齢層の方が入居されていらっしゃり、もちろん男性も女性もいらっしゃいます。入居者様たちの中には、結婚をされていらっしゃる方もいれば、独身のままで生きてこられた人、結婚をしているものの先にお相手の方を失ってしまっている方もいらっしゃいます。そんな老人ホームの中で、1つの愛が育まれていました。それは、お互いに結婚経験のない入居者様で、男性は75歳、女性は70歳と、とても高齢の方々だったのですが、いつも2人で一緒に過ごされていらっしゃり、職員の中でもそれは話題にあがっていました。

そしてあるとき、入居者様から結婚をしようと考えているという、驚きの報告をいただいたのです。

しかし実際のところ、70代になってから役所に出向いて婚姻届を提出したり、1から生活スタイルを変えるとなると、それはとても負担となってしまうものでした。そのため入居者様は、婚姻届は提出せず、口約束ではあるものの、婚姻関係になるという報告をしてくださいました。これを聞いた私を含む職員で考えたのは、老人ホーム内で結婚式を開くというものです。お互いに結婚経験のない入居者様だったため、結婚式という幸せの場を経験していただきたいと思って考案したことでした。そうしてこれが実行されることとなり、第一にウエディングドレスとタキシードを用意することになりました。結婚式というと、ウエディングドレスとタキシードがお決まりのようなもので、これを着ていただいた上で、結婚式を行いたいと思いました。そうしてレンタルしてきたウエディングドレスとタキシードを着ていただいたところ、とても素敵な姿に、職員だけではなく、他の入居者様たちも大いに歓声を上げ、そして入居者様本人にも喜んでいただくことができました。結婚式といっても、手作りのチャペルと小さなブーケ、そして牧師さんに扮装した職員を用意することしかできませんでしたが、こんな簡単な結婚式でも喜んでいただくことができ、本当に嬉しかったです。70歳になっても、ウエディングドレスを美しく着こなされる入居者様を見て、これに年齢なんて関係ないと思いました。

 

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